2010年5月17日月曜日

タイ騒乱 重体の少将死亡

タイのタクシン元首相派団体「反独裁民主統一戦線(UDD)」のデモ隊と治安部隊による衝突は十七日未明も首都バンコク中心部で断続的に続き、騒乱は五日目に入った。病院関係者によると、UDD強硬派で、十三日に狙撃されて重体になっていたカティヤ陸軍少将(停職中)が死亡し、衝突が始まった十三日以降の死者は三十六人、負傷者は二百五十五人となった。

 AFP通信によると、新たな死者にはほかに兵士一人も含まれるが、この兵士は私用でビジネス街を通りかかり、衝突に巻き込まれたという。

 UDDが占拠するルンピニ公園近くの高級ホテルでは十七日未明、十七階などにロケット弾が撃ち込まれ、宿泊客約百人が地下へ避難した。宿泊客への被害はなかった。

 軍は十七日午後三時(日本時間同五時)までに、デモ参加者のうち、女性や子供、高齢者に対して自主退去するよう要求している。警察などの協力を得て非政府組織(NGO)が退去の手助けを行う予定。軍報道官は「男性も自主退去できるが、武器を所持していないことを示す必要がある」としている。

 治安部隊は十三日夜から、UDD占拠地区の周辺約三キロ四方の道路を封鎖し、食料供給やデモ参加者の増加を阻止する「兵糧攻め」を実施。一部デモ隊が治安部隊を攻撃し、治安部隊が応戦して銃撃戦になるなど激しい衝突が続いている。

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