国鉄スト長期化 OB、生徒らが臨時運転士に！

　タイ国有鉄道労組は、10月20日も南部ハジャイ駅を中心にストを続け、南部線のほとんどが運休した。ストは5日目。政府は同日、労組の方針に反対の運転士をハジャイ駅に送り込み、一部列車の運行を再開したほか、国鉄の運転士、機関士のOBと鉄道学校の生徒を南部線の運行に充てることを決めた。

　国鉄労組は機関車が老朽化し安全が保証できないと主張し、運転士多数が病欠する形で列車の運行を止めた。ただ、労組への協力について、「運転士の意見は割れている」（国鉄北部線の運転士）ため、ストはほぼ南部線に限られている。労組はユタナー国鉄総裁の辞任も要求しているが、今回のストとは関係ないと主張。中央政界での政争との関連も否定した。

　国鉄労組は昨年8、9月に反タクシン元首相派団体「民主主義市民連合（PAD）」がバンコクの首相府やプーケット空港を占拠した際に、PADに協力して長期ストを行った。PADが今年6月に設立した新党「新政治党」の副党首には国鉄労組の元トップでPAD幹部のソムサック氏（64）が就任している。PADは昨年12月に発足した反タクシン派の現政権と協力関係にあったが、政権側がPADと距離を置いた上、憲法改正などをめぐり意見が合わず、PADによる新党結成、対立へと関係が変化しつつある。

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