タイ外国人記者クラブ(FCCT)の役員13人が不敬罪容疑で取り調べを受けることが明らかになった。不敬罪疑惑で追及を受けているジャクラポップ・ペンケー氏(42)らタクシン元首相派幹部の講演、演説をFCCTがDVDに収録、販売していることが不敬罪に抵触するとして、タイ人女性(57)が6月30日、警察に訴えたため。FCCTはこの件について「ノーコメント」としている。
ジャクラポップ氏は外交官、テレビキャスターを経て、タクシン政権(2001-2006年)で首相府報道官を務めた。2006年9月の軍事クーデターによる政権崩壊を受け、2007年7月、タクシン派がクーデターの首謀者として糾弾するプレム枢密院議長宅前で抗議集会を開き、逮捕された。保釈直後にFCCTで講演し、主従関係的なシステムが民主主義と対立していると主張。同年末の総選挙でのタクシン派の勝利を受け、2008年に首相府相に就任したが、FCCTでの講演内容が王室批判だとして、当時の野党民主党や軍などから激しい突き上げを受け、同年5月、辞任に追い込まれた。昨年末の民主党政権発足後は反政府派の指導者の1人となり、4月の反政府デモを指導。デモが軍に鎮圧された後、行方をくらました。近隣国に潜伏しているとみられる。
タイには不敬罪があり、最高刑は懲役15年。外国人に適用されたケースでは、昨年8月、オーストラリア人男性(42)が著書でタイ王室を批判したとして逮捕され、保釈を認められないまま、今年1月に禁固3年の実刑判決を受け、2月に恩赦で出獄、国外退去処分となった。
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