2009年9月11日金曜日

金に困った男、刑務所に入るため窃盗

 8月30日、タイ東北部ウボンラーチャターニー県で、所持金がなくなり生活できなくなった男が、刑務所に入るため、電気コードを盗むという事件を起こした。

 窃盗の罪で逮捕されたのはワンナー容疑者(32)。30日昼、同容疑者はいきなり交番を訪れ、「刑務所に入れてほしい」と警官に懇願した。しかし、警官が「犯罪を犯していない人間を逮捕することはできない」と断ると、ワンナー容疑者は交番を出て、近くのレストランに入ると、電気コードをはさみで切り、その後、逮捕されるのをおとなしく待っていたという。

 同容疑者は取り調べに対し、次のように自供した。

 「自分は東北地方の出身で、両親と兄弟3人で暮らしていた。しかし、兄弟は全員死亡し、両親は離婚。今はそれぞれ新しい家庭をもっているため、自分は一人で生活しなければならなかった。4、5年前、建設現場で働いているとき、乱暴されそうになった女性を助けたのが縁で、一緒に暮らすようになり、細々と農業をして2年ほどたった。しかし暮らし向きはよくならず、町へ出てきて、ゴミ箱から古物を探して売る仕事を始めた。金がないときは寺で食物を恵んでもらい、食いつないでいた。そのうち、恋人ともけんか別れ。さらに、バイクのガソリンを入れようとしたとき、30バーツしか所持金がないのに、最低でも50バーツないと入れられないと言われて、やけになり、刑務所に入ろうと決心した」

 警察ではワンナー容疑者の望み通り、窃盗罪で起訴する方針だ。

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