反タクシン元首相派団体「民主主義市民連合(PAD)」はタクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターから丸3年となる9月19日、タイとカンボジアの国境係争地域で集会を開き、周辺に展開するカンボジア軍に撤兵を要求する方針だ。タイ政府はようやく落ち着きを取り戻し始めたカンボジアとの関係に悪影響を及ぼすと見て、PAD幹部のカシット外相を通じ、計画撤回を呼びかけている。
PADは昨年、カンボジアが係争地域近くの自国領にある山上遺跡プレアビヒアを世界遺産に申請したことに反発。カンボジアを支持した当時のタクシン派サマック政権を追及し、外相を辞任に追い込んだ。プレアビヒアは同年7月に世界遺産に登録され、民族感情に火がついた世論に押された両国軍は昨年10月と今年4月に軍事衝突を起こし、双方の兵士数人が死亡した。
プレアビヒアはカンボジアのクメール王国が11―12世紀に建立したとされるヒンドゥー寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっている。
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