夫刺殺の献身妻に執行猶予の判決

　暴力亭主を刺殺したが執行猶予付の判決を受けた女性が、ＴＶトーク番組に出演。タイで話題となっている。

　この女性は東北部シーサケット県に住むニタヤーさん（30）。殺害した夫（33）とは8年前に結婚し、最初は幸せな生活を送っていたが、3年目から夫の態度が豹変。仕事をまったくしなくなり、酒浸りとなった。さらに、覚せい剤を常用するようになったほか、浮気はするわ、すぐに暴力をふるうわ、と妻を奴隷のように扱っていた。

　事件が起きたのは、今年6月13日。日雇いの仕事を終え、疲れて帰ってきたニタヤーさんに「酒を買ってこい」と命令。ニタヤーさんが、「すぐ食事の用意をします。その後に買ってきます」と言ったところ、この夫は「バカ野郎。今すぐ買ってこい」と叫ぶと、近くにあった棍棒を手にして殴りかかってきたという。

　そのためニタヤーさんはとっさに手にしていた包丁で、夫を刺してしまったとのことだ。

　しかし、裁判では正当防衛が認められ、執行猶予2年と、実刑判決を逃れることになった。

　ニタヤーさんは出演した番組で、「どうしてさっさと離婚しなかったのか」との司会者の質問に、「一度結婚したら、何があっても、その夫のために尽くそうとずっと決めていました。そのため、どんな仕打ちを受けようとも我慢していました」と答えていた。